動画編集

【初心者卒業】動画編集が“仕事になる”ために必要な基礎スキル完全ガイド

あっきゃん
あっきゃん
「動画編集はしてるけど、ぜんぜん稼げない…」
「気づけば1本5時間以上かけて編集したのに報酬は2,000円…」

せっかく編集スキルを学んで案件が取れたのに、作っても作っても月収は増えず、時間と気力ばかり削られていく…。そんな状況に疲れて、動画編集をやめてしまう人も少なくありません。

実は、単価を上げられない方には共通する、ある傾向があります。

自分のスキルがどの単価レベルにいるのかわからない
「作れば作るだけ上達する」と信じて、がむしゃらに続けてしまう
「今の自分がこの金額をもらってもいいのかな…」と遠慮してしまう

安心してください。多くの人が通る道です。

では、「できるだけ早くその状況から抜け出して、収入を増やしていくには何をすればいいのか?

まず最初に確認して欲しいのは「動画編集者として最低限必要なスキルを身につけているか」です。

ちなみに私は、動画編集スクール3つ、個別コンサルを2つ受けて編集を学びました。その中で気づいたことがあります。

あっきゃん
あっきゃん
基礎スキルは同じだけど、細かいところの抜けがある

スクールAでは教えてなかったことをスクールBで教わり、しかしAで教わったことがBでは教わらなかったりと、基礎が網羅されているわけではありませんでした。

今回の記事では、各スクールで習ったことや実際に案件で必要な土台となる必要スキルの全体像(概要)をまとめました。(それぞれの細かな部分については、今後別途記事でまとめていきます)

こんな人におすすめ
・編集者として土台が整っているか確認したい人
・スキルが足りてるのか不安で、単価交渉ができない人
・動画編集者としての収入を増やしたいと思っている人

この記事を通して、「自分のスキルの棚卸し」をすることで、今、自分がどこのステップにいるかを知り、次に学ぶべきスキルを見つけるヒントや自信をもって案件や単価交渉ができるようになれば嬉しく思います。

動画編集 基本スキルチェック

作業環境の整備

動画編集ツール

前提として、今回の記事では「Adobe Premiere Pro」をベースにしています。理由として、編集ツールは複数ありますが、その中でも、クライアントワークにおいて、チームとして取り組む際のデータの受け渡しなど、広く使われるツールだからです。

今後CapCatやEditsについては改めてまとめていきたいと思います。

動画編集をするのにおすすめなパソコンスペック

項目 おすすめ 備考
CPU
(頭脳)
Core i5 第8世代以上Ryzen 5以上 4K動画も取り扱うならCore i7または Ryzen 7以上
メモリ
(作業データの一時保存)
32G 4K素材を使用しなければ16Gでも十分。
少ないと、同時に処理できる作業は減少したり、編集中のカクつきや応答なしが起きやすくなる
ストレージ
(データ保存)
SSD 1T 少ないと書き出しや読み込みの速度が低下
GPU
(映像処理)
Win : GTX1660以上
RTXシリーズ
Mac : M1/M2チップ内蔵
OS
(管理・制御)
Windows10以上  macOS 最新版推奨
画面サイズ 14インチ以上

一般的にフルHD素材での編集がメインとなりますが、案件によっては4K素材の編集に携わることもあります。
4K素材を扱う例:
クライアントが「高品質・見栄え重視」の案件(商業案件など)
将来的にYouTubeなどで大型スクリーンでも再生される想定
映像の切り出しやズーム編集に耐える必要が

周辺機器

<必須>
・外付けSSD 1T〜

パソコンに保存するとどんどん重くなるので基本的に素材を入れるのに使用
コンパクトなものがおすすめ
おすすめ:Samsung T7 2TB
(コンパクトで軽く持ち運びしやすいです!)

・外付けHDD 1T〜

納品後(目安1ヶ月)SSDの内容を圧縮して格納
数ヶ月後に修正やデータを求めらえることもあるので1年は保存

・マウス&マウスパッド
細かな作業を行うために効率を上げるだけではなく、手首への負担軽減
おすすめ:ロジクール MX MASTER3s
(実際に使ってみると、もう他のマウスに戻れなくなるほど快適です)

・イヤホン

高いものでなくてOK。コンマの音のズレに気づくためにも音に集中できると◎

・USBハブ(SDカードリーダー付)

撮影からされる場合はSDカードからの取り込みをするに必要(パソコンに付属されていえれば不要)。
また、特にMacの場合は外付けSSD、外付けモニターと繋ぐために必須

・Webカメラ&マイク(PCに付属していない場合)
動画編集とは別にクライアントワークにて必要

<あると便利>
・外部モニター
大きな画面での作業や調べ物などをしながらできて作業効率アップ

・パソコンスタンド

長時間や夏場の作業でパソコンが熱くなるため熱を逃すためや高さの調整に便利

・チェア

長時間集中による体のの負担軽減。腰痛、肩こり、首の痛み予防

・ブルーライトカットメガネ
長時間作業にて眼精疲労・頭痛予防

事前準備

編集ソフトの初期設定

編集スピードを上げるための環境づくりも重要ポイントになります。
・ワークスペースの設定
自分の作業スタイルに淡⑤て、パネルの一夜表示をカスタム
・ショートカットキー設定
Adbe:キーボードショートカットのキーボードのカスタマイズ
よく使う操作(カット、ズーム、保存など)を時短で操作できるよう設定

案件別のフォルダ分け

あとから素材フォルダがごちゃついて、クライアント様から「データの再送」や「修正」が入ったときに探すのに時間がかかる…経験はありませんか?

さらに、編集中にファイル名や場所を変更すると、Premiere Proなどの編集ソフトでは再読み込みが必要になったり、リンク切れで開けなくなってしまうため、正確なデータが開けないということになることも。

だからこそ、最初にしっかり整理しておくことで時短&トラブル防止につながります。

フォルダ構成の例
フォルダ名:クライアント様名_依頼月
・01_素材(映像・画像・台本など)
・02_編集ファイル(Premiereプロジェクトファイル)
ファイル名例:
・年月日_クライアント様名_案件タイトル.prproj
・通し番号__クライアント様名_案件タイトル.prproj
・03_音素材(BGM・効果音)
・04_書き出し動画(納品用)
・05_参考資料・メモ

編集の全体の流れ

動画編集の基本的な工程を、順番にまとめてみました。

1. 素材をまとめる → 2.シーケンス設定 → 3. 素材の取り込み→ 4. 音量調整 → 5. 色調調整→ 6. カット→ 7. 素材の挿入→ 8. テロップ→ 9. 動画の動きをつける→ 10. 音素材(BGM・SE)→ 11. 書き出し→ 12.初稿・修正 → 13.フォルダの保存

1.素材をまとめる、ファイル名を整える
必要素材を専用のフォルダにまとめる。できるだけその動画で使うものは一つにまとめる。
(別のフォルダにある場合、素愛を移動したりや消した際に読み込みできなくなるため)

2.シーケンス設定

・フレームサイズ:
YouTube用→1920:1080(16:9)
Instagramリール→1080:1920(9:16)
フレームレート:29.97〜30fps

3.素材の取り込みと編集サイズ調整
必要素材の取り込み
フレームと合わせる(必要時)

. 2つ以上の素材のタイミングを合わせる(タイムシンク):同期
違和感をなくすために、視覚と聴覚のズレをなくす。

4.音量調整(音量バランス・ノイズ除去)
・音量設定:音声の目安は-1dB~-6dB
オーディオゲイン、ペンツールを使用し、タイムライン上の音量を部分的に調整する
・ノイズの除去:クロマノイズ除去(40~50%)
・声の速さ:速度・デュレーションの調節(気持ち早め)
・声の高さが変になる対策:ピッチシフター

5. 色調補正(色味・明るさ調整)
・素材の明るさや色の調整:Lumetri カラー

6. カット(テンポ・情報整理)
不要な間やセリフを取り除いたり(ケバ取り)、必要時シーンを入れ替えたりして調整。全体的なテンポ感や内容の流れが良くなることで見やすくし、離脱の原因を減らす。
テンポの良さに加え、違和感がなく「意味のある間」を残したりことも必要。
・ジェットカット:話の「間」や不要なセリフを削る
・ジャンプカット:違うカットに切り替えて飽きさせない
・カットが終わったら、ぷつぷつ音対策:オーディオトランジション

7. 素材の挿入
・動画内容に沿った動画や画像の挿入。
・基本2秒以上同じ画角にしない
・オリジナル素材以外を使用する場合は商用利用可能か注意。

8. テロップ(情報の補足・見やすさ)
視認性・動画のみやすさを上げる。音声なしでみても意味がわかる。
・フォント:内容やコンセプトにあっているもの
・色:内容や惹きつけにあったもの
・位置:みやすさ、投稿時に切れていない位置になっている
・要点だけを表示する意識、話し方の統一

9. 動画の動きをつける
・動画、テロップに動き・アニメーションをつけて飽きさせない工夫を加える。
・画角の工夫:動きで集中力をキープ
静止画、トーク中心の映像でも「2秒ルール」を意識して、飽きにくくする工夫
軽い動きのアニメーションを使用
※なんとなくではなく、ひとつひとつの動きになぜそれを入れたのか説明できるように考えて入れることを意識する。

10. SE・BGM(雰囲気と感情を乗せる演出)
・音量設定
BGM : -5dB~-30dB程度
音楽がメインの場合:-5dB~-15dB程度
トークがメインの場合:-20dB~-30dB程度
SE(効果音) : -5dB~-18dB 程度
素材毎に調整。

・音声、SE、GBM全体のバランスと合わせる。
目安の数値で調整しても微妙な音の差があるため、実際に聞いて違和感の微調整をする。

・シーンにあった音素材で感情を動かす
※オリジナル素材以外を使用する場合は商用利用可能か注意。

<提出前チェック>
・依頼内容は適切か
・画面サイズ
・違和感チェック:視聴者目線で最終チェック
(誤字脱字はないか、音やテロップのずれはないか、間伸びしていないか)
*違和感を感じたらそのままにしない

11. 書き出し設定
・YouTube:1920×1080/H.264/30fps
・Instagramリール・TikTok:1080×1920/H.264/30fps
・納品方法:ギガファイル便・Google Driveなどで共有が主流

12. 初稿・修正
・納期
納期内はもちろん、修正も考えてできるだけ早めに提出を心がける。
納期の指示がない場合は、確認すること。(遅くても1週間目安)

13. フォルダの保存・テンプレート化(時短)
・納品後、データ一式揃っていることを確認して圧縮。
(おすすめ:プロジェクトマネージャーで保存)
・1〜3ヶ月は修正依頼の可能性があるため、すぐに出せるところにあるといい
・少なくても1年はDHHに移動して保存

時短のために、
・フォントやエフェクトはテンプレート化
・よく使うものやシーン別音素材フォルダを作っておく
・よく使う動画の型まとめ

クライアントワーク編:信頼を積み重ねる仕事術

編集スキルに加えて、クライアント様が「またお願いしたい」と思ってもらうためには、「頼みやすさ」と「任せられる安心感」をが必要です。

クライアントワークは「作業」だけではなく「信頼構築」でもあるため、ひとつひとつの対応が、単価アップや継続につながりなります。

初回確認のすり合わせができているか?
・納期・初校日・編集の希望内容(参考動画や好み)
・素材の受け渡し方法・フォーマット(GoogleDrive、ギガファイル便など)
・報酬金額と支払い方法
→勧めていく上での安心感やトラブル回避

納期遵守&こまめな報告ができているか?
・初稿提出:3〜7日目安で
・遅れが出そうな場合は、事前報告
→ 報連相がしっかりしていると、それだけで「任せられる人」と思ってもらえる

フィードバック対応が柔軟で丁寧か?
・指摘を受けたときに、修正理由も確認しながら対応する
・「わかりました!」だけじゃなく、「こういう意図でやってみましたが、どうでしょうか?」など提案ができると◎
→ 柔軟だけど自分の考えも伝えられる編集者は、信頼度や今後の相談もしたいと思ってもらえる

関係性を保てる“基本のマナー”があるか?
・丁寧なチャット or メール(敬語+端的さ)
・返信は24時間以内を目安に
・納品後の感謝の気持ち

→ 「またお願いしたい!」は、作業だけではなく、やり取りや人柄もみられています

おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございました。

すでに「全部できている」と思った方は、すでに単価3000円以上の案件もこなせるレベルです。「今の単価でいいのかな…?」と迷っていたら、自信持って、次のステップに進んでいいと思います。

逆に、「これできてなかった」と感じるところがあったら、スキルアップとして取り入れるきっかけになったら嬉しいです。

これからも、単価アップに必要なスキルやステップアップのコツ、高単価案件を目指すために学んだことをまとめていく予定です。

せっかく、動画編集を学んで、案件も取れているのに「思ったより稼げない…」「時間だけがかかる…」と諦めてしまうのはもったいないこと。

できていること、これから伸ばすところを整理して、あなただけのペースで、単価アップを目指していきましょう!

また次の記事でお会いできるのを楽しみにしています。